「御礼」の正しい読み方と使い方!お礼との違いが一目で分かるガイド

お礼と御礼 言葉の知識






「御礼」と「お礼」の違い、正しく説明できますか?

どちらも「おれい」といい、感謝を伝える言葉ですが、実は使われる場面や丁寧さの度合いが異なります。

特にビジネスシーンでは、読み方や使い方を間違えると相手に不自然な印象を与えてしまうことも。

この記事では、「御礼」の正しい読み方はもちろん、「お礼」との違い、ビジネスでの適切な使い分けまで、誰でも分かりやすく解説します。

ビジネスで使われる「御礼」の正しい使い方

御礼を使う基本シーン

ビジネスにおいて「御礼」は、相手に対して丁寧な感謝を伝えるための最も基本的な表現です。

主に、商談や打ち合わせの後、メールの締めくくり、訪問後のフォロー、依頼を受けた後の返信など、幅広いシーンで活用されます。

特に取引先や目上の人に対しては、「お礼」よりも「御礼」を使ったほうが文書としての格が上がり、よりフォーマルな印象を与えます。

また、単なる挨拶ではなく“わざわざ言葉にして伝える必要がある場面”で使われることが多く、文章の中に自然に組み込むことで、相手への敬意と誠実さを示す役割も果たします。

ビジネスでは、丁寧さが信頼につながるため、「御礼」を適切に使えるかどうかが社会人としての評価にも影響します。

メールの件名での使い方

ビジネスメールの件名で「御礼」が使われるのは非常に一般的で、内容を簡潔に伝えるうえでも便利です。

たとえば「昨日の御礼」「面談の御礼」「ご訪問の御礼」など、一目で内容が分かる形式が好まれます。

件名に「御礼」を入れると、本文を開かなくても相手に「丁寧な対応をしてくれている」という印象を与えることができます。

また、件名は短いほうが良いため「お礼」よりも漢字で引き締まって見える「御礼」のほうが適切です。

ただし、件名に「ありがとうございました」と書くと感情が前に出すぎるため、ビジネスではやや不自然です。

件名は中立的に、本文で丁寧に伝えるのが基本マナーです。

文頭・文末どちらに使うのが正しい?

「御礼」は文頭と文末のどちらに使っても問題ありませんが、役割が異なります。

文頭に置くと「まず最初に感謝を伝えたい」という強い丁寧さを示す表現になり、「このたびはご多忙の中、お時間を頂戴し厚く御礼申し上げます。」といった形で使われます。

一方、文末では文章の締めくくりとしてまとめの役割を果たし、「改めて御礼申し上げます。」などが一般的です。

どちらが正しいというより、文章全体の流れに応じて自然に配置することが大切です。

初対面の相手や重要な案件では文頭に、軽いフォローの場合は文末に置くと、より自然で読みやすい文章になります。

使ってはいけないNG用法

「御礼」にはいくつか誤用があります。
まず「ご御礼」と二重敬語になってしまうケース。

これは相手に不勉強な印象を与えるため避けるべきです。

また、「御礼を申し上げたいと思います」という表現はやや曖昧で、敬意が弱まります。

「御礼申し上げます」と断言したほうが丁寧です。さらに、「御礼の気持ち」といった表現も不自然です。

「礼」自体が気持ちを表すため、意味が重複してしまうからです。

誤用は相手との信頼関係にも影響するため、正しい言い回しを身につけることが大切です。

文例集:シーン別の使い分け

以下はビジネスで使いやすいシーン別の例文です。

・打ち合わせ後:「先日はお忙しい中お時間を頂戴し、誠にありがとうございました。改めて御礼申し上げます。」
・訪問後:「本日はご対応いただき、ありがとうございました。ご訪問の御礼を申し上げます。」
・依頼対応後:「迅速なご対応を賜り、厚く御礼申し上げます。」
・接待後:「昨夜はご招待いただき、心より御礼申し上げます。」

状況に応じて使い分けることで、文章の質が大きく向上します。

「御礼」を使った手紙・メールの文例集

取引先への御礼メール

取引先への御礼メールでは、簡潔かつ丁寧な言い回しが基本です。

冒頭で「本日はお忙しい中お時間を頂戴し、誠にありがとうございました。」と感謝を伝え、その後に商談内容や要点を分かりやすくまとめる形が理想です。

最後に「引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。」と締めることで、丁寧さと継続的な関係を示せます。

ポイントは、長文になりすぎないこと。御礼は気持ちを伝えるものであり、過度な説明はかえって読みにくい印象になります。

丁寧でありながら簡潔を意識することが大切です。

社内向けの御礼メッセージ

社内向けでは取引先よりも少し柔らかい表現が使えます。

ただし「御礼」という語を使う以上、一定の丁寧さは保つ必要があります。

「本件につきましてご協力いただき、心より御礼申し上げます。」など、相手の行動に対して具体的に感謝を述べると好印象です。

また、社内では感謝の背景を簡潔に説明するとより伝わりやすくなります。

上司に対してはやや硬め、同僚には柔らかめなど、相手によって語調を調整することがポイントです。

面接後の御礼メール

面接後の御礼メールは、応募者の印象を左右する大切な要素です。

メールでは「本日は面接の機会を頂戴し、誠にありがとうございました。」という基本の形から始めます。

続けて、面接で印象に残ったポイントや学びを書き添えることで、誠実さや熱意が伝わります。

最後に「ご多忙のところ貴重なお時間を頂き、重ねて御礼申し上げます。」と締めると丁寧です。

長すぎず簡潔であること、そして熱意が伝わる自然な文章であることが重要です。

お詫び+御礼の組み合わせ表現

ビジネスでは、お詫びと御礼が同時に必要になる場面があります。

「このたびはご迷惑をおかけし申し訳ございませんでした。にもかかわらず、丁寧にご対応いただき厚く御礼申し上げます。」といった形が代表例です。

お詫びのほうを先に述べ、その後に御礼を伝えるのが基本。

謝罪と感謝を同時に伝えることで、誠意と真摯さが伝わり、相手との信頼関係を保つことができます。

季節の挨拶とセットで使う例文

季節の挨拶と「御礼」を組み合わせると、より丁寧な文書になります。

「師走の候、皆様ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
先日はご協力を賜り、誠にありがとうございました。
厚く御礼申し上げます。」
など、冒頭で季節の言葉を添えることで、文章全体の格式を高める効果があります。

季節の挨拶は形式的ですが、相手への心配りを示す大切な文化です。

間違えやすい「御礼」周りの言葉と正しい日本語

「御礼申し上げます」は正しい?

「御礼申し上げます」は正しい表現で、最も一般的な丁寧表現です。

「御礼」「申し上げる」という二つの敬語を組み合わせていますが、二重敬語には当たりません。

むしろ最も洗練された形で、ビジネス文書でも頻繁に使われます。
「厚く御礼申し上げます」「心より御礼申し上げます」など、状況に応じて副詞を添えるとより丁寧です。

迷ったらこの表現を使えば間違いありません。

「御礼の気持ち」は不自然?

「御礼の気持ち」という表現は意味の重複があり、不自然です。

「礼」は感謝の気持ちを表す語なので、そこに「気持ち」を加えると同じ意味を二重に述べてしまうことになります。

「感謝の気持ち」「御礼申し上げます」など、文脈に合わせて別の形に置き換えるほうが自然です。

文章が洗練されて見え、読んだ相手に違和感を与えません。

「御足労」との組み合わせ

「御礼」とよく混同される言葉に「御足労」があります。

「足労」は“わざわざ来てもらった労力”を意味するため、「御足労いただきありがとうございます」は自然な文ですが、「御礼」と組み合わせる必要はありません。

「ご足労いただき、誠にありがとうございました。」とするのが基本です。

「御礼」と「御足労」は別の敬語なので、文脈に応じて適切に使い分ける必要があります。

「御礼参り」との意味の差

「御礼参り」は「感謝を伝えるために相手のもとを訪れる」ことを本来の意味とする言葉です。

しかし現代では「復讐」や「報復」の意味として使われるケースも多く、誤解を招きやすい表現になっています。

ビジネスやフォーマルな文章では使わないほうが安心です。

紛らわしいため、「訪問し御礼をお伝えいたしました」など明確な表現に置き換えるのが安全です。

似た敬語との混同ポイントまとめ

「御礼」「お礼」「感謝」「謝意」など、似た言葉はたくさんあります。

ポイントは“どれが最も丁寧か”“どの場面に合うか”。
ビジネス文書では「御礼」、日常では「お礼」、あいさつ文では「謝意」が使われやすい傾向があります。

迷ったときは、相手との距離や文書の格式を基準に選ぶと自然です。

まとめ

「御礼」の正しい読みは「おれい」であり、「お礼」とは丁寧さの度合いが違います。

ビジネスではより改まった場面で用いられ、文章の印象を整える役割があります。

誤用も多いため、正しい使い方を身につけることが円滑なコミュニケーションにつながります。

場面に応じて自然に使い分けられるようになると、日本語表現がぐっと豊かになります。






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