「給料」は英語で“salary”だけじゃない!
実はネイティブが日常的に使う「給料」に関する単語には「paycheck」と「payroll」という2つの言葉があります。
どちらも「給料」に関係していますが、意味や使う場面が違います。
英語でビジネスをするなら、この2つを混同すると誤解されることも…。
この記事では、英語の「給料」に関する代表的な言葉である *paycheck* と *payroll* の違いを、ネイティブ感覚でわかりやすく解説します。
TOEICや英会話でもよく出るテーマなので、ぜひ最後まで読んで正しい使い分けをマスターしましょう!
paycheckとpayrollの基本的な意味の違い
paycheckとは何を指すのか?
「paycheck」とは、個人が実際に受け取る「給料」そのものを指す言葉です。
元々は紙の小切手(check)として給料を受け取ることが一般的だったため、「給料=paycheck」という表現が生まれました。
現代では銀行振込が主流になっても、「今月の給料が入った」と言う時に“I got my paycheck.”というように使われます。
つまり、受け取る側の視点で「給料」「給与明細」「支払い額」を表す便利な単語です。
payrollとは何を指すのか?
「payroll」は、企業側が従業員に給料を支払うための「給与管理システム」や「人件費の総額」を意味します。
つまり、個人ではなく「会社全体」で扱う概念です。
たとえば“She works in the payroll department.”(彼女は給与部門で働いている)というように、経理や人事の文脈で多く登場します。また「on the payroll」は「雇われている」という意味になり、雇用関係を表す表現としても使われます。
個人視点と企業視点の違い
両者の最大の違いは「視点」にあります。
paycheckは「もらう側=従業員」、payrollは「払う側=会社」の言葉です。
たとえば、従業員は“I got my paycheck.”と言い、経理担当者は“I handle the payroll.”と言います。
つまり、同じ“給料”でも立場によって使う単語が変わるのです。
この視点の違いを意識すると、自然な英語表現ができるようになります。
英語ネイティブの感覚での使い分け
ネイティブスピーカーは「paycheck」を“個人の収入”として非常にカジュアルに使います。
一方「payroll」はフォーマルでビジネス寄りの単語です。
そのため、会話では“I need my paycheck soon.”のように親しい相手に言えますが、“payroll system”のような表現は主に職場・ビジネス書類・会計会話で登場します。
使う場面を意識することで、英語がより自然に響きます。
よくある混同例とその理由
日本語では「給料」も「給与管理」も同じ「給料」という言葉で表すため、paycheckとpayrollが混同されやすいです。
特に英語学習者は「給料関係=payroll」と覚えがちですが、それでは不自然な使い方になります。
簡単な覚え方は「check=個人」「roll=リスト(一覧)」です。
個人の支払いはpaycheck、全体の支払いリストはpayroll。
この違いを意識すると混乱せずに使い分けられます。
paycheckの正しい使い方と例文
paycheckの語源と由来
「paycheck」は、“pay(支払い)”と“check(小切手)”を組み合わせた言葉です。
昔のアメリカでは、給料日になると会社が紙の小切手を手渡ししていました。
その名残で、今でも銀行振込であっても“paycheck”という言葉が使われています。
語源を知ると、英語が「文化とともに生まれた言葉」であることがわかります。
アメリカでの「給料日文化」
アメリカでは多くの企業が隔週(biweekly)で給料を支払うため、給料日には“I got my paycheck!”と喜ぶ人が多いです。
特に映画やドラマで「やっと給料が入った!」という場面でこの表現がよく登場します。
給料日には外食をしたり買い物をしたりするなど、日本と同じように「ちょっと特別な日」という文化があるのも面白いポイントです。
paycheckが指す3つの意味(紙・振込・明細)
「paycheck」は大きく3つの意味を持ちます。
①昔の紙の小切手、②銀行振込での給料、③給与明細(明細書)のことです。
たとえば“My paycheck was deposited today.”なら「今日給料が振り込まれた」、また“My paycheck shows the deductions.”なら「給与明細に控除が書かれている」となります。
どの意味でも「従業員が受け取るもの」である点は共通です。
paycheckを使った定番フレーズ10選
| 英語表現 | 意味 |
| ———————————- | ————— |
| I got my paycheck. | 給料が入った。 |
| When is payday? | 給料日はいつ? |
| My paycheck is smaller this month. | 今月の給料が少ない。 |
| I live paycheck to paycheck. | その日暮らしだ。 |
| My paycheck was delayed. | 給料の振込が遅れた。 |
| The paycheck includes a bonus. | 給料にボーナスが含まれている。 |
| He lost his paycheck. | 彼は給料の小切手をなくした。 |
| The paycheck was sent by mail. | 給料が郵送された。 |
| I finally received my paycheck. | ようやく給料を受け取った。 |
| Check your paycheck stub. | 給与明細を確認して。 |
paycheckとsalaryの違い
「salary」は「給与額」や「年収」といった“金額ベースの報酬”を意味します。
一方「paycheck」は実際に「支払われるお金」そのものです。
たとえば「My salary is $50,000 a year.(年収5万ドル)」に対し、「My paycheck comes twice a month.(月2回給料が入る)」のように使います。
salaryは「契約」、paycheckは「実際の入金」と覚えるとわかりやすいです。
payrollの正しい使い方と例文
payrollが意味する「給与管理システム」
「payroll」は、従業員の給与を正しく計算し、税金や保険料を差し引くシステム全体を指します。
日本語で言うと「給与計算」や「人件費管理」にあたります。
たとえば「payroll system」や「payroll service」という言葉は、企業が従業員の給与を自動計算するシステムを意味します。
つまり、payrollは「人事・経理側の仕組み」です。
企業でのpayroll部門の役割
企業には「Payroll Department(給与部門)」があり、従業員の給料を正確に支払う重要な役割を担っています。
この部署では、残業代、税金、社会保障費などを管理し、法令に従って支払いを行います。
たとえば“She works in the payroll department.”(彼女は給与部門で働いている)という文は、典型的な使い方です。
payrollは“behind the scenes(舞台裏)”で会社を支える存在です。
payrollを使ったビジネス英語例文10選
| 英語表現 | 意味 |
| ————————————– | ——————- |
| I’m in charge of payroll. | 私は給与管理を担当しています。 |
| Payroll is processed every Friday. | 毎週金曜日に給与処理が行われます。 |
| The company uses a new payroll system. | 新しい給与システムを導入しています。 |
| Payroll errors can cause big problems. | 給与計算ミスは大問題になります。 |
| She handles the payroll taxes. | 彼女は給与税を処理しています。 |
| Payroll costs are increasing. | 人件費が上昇しています。 |
| Who’s on the payroll this month? | 今月の雇用者は誰ですか? |
| Payroll records must be accurate. | 給与記録は正確でなければなりません。 |
| The payroll department is hiring. | 給与部門が新しい人材を募集しています。 |
| He is not on the payroll anymore. | 彼はもう雇用されていません。 |
payroll tax(給与税)とは何か?
アメリカでは「payroll tax」と呼ばれる給与関連税があります。
これは雇用主と従業員の両方が負担する税金で、社会保障(Social Security)や医療保険(Medicare)の財源になります。
つまり、payroll taxは「給料にかかる税金」という意味です。
日本でいう社会保険料のようなものに近く、アメリカの給与明細ではしばしば“Payroll Tax”という欄が見られます。
payroll software(給与計算ソフト)について
近年では、給与計算を自動化する「payroll software(給与ソフト)」が多くの企業で使われています。
代表的なものにはADPやQuickBooks Payrollなどがあり、税金や控除を自動で処理してくれます。
日本でもクラウド型の給与計算ツールが普及していますが、英語圏では「payroll」という言葉そのものがこうしたツールやシステムを指すのが特徴です。
paycheckとpayrollの違いを整理!シーン別で理解する
もらう人の立場から見た違い
従業員の立場から見ると、「paycheck」は直接的に関わる言葉です。
給料が入った、控除があった、明細を確認した、という場面で日常的に使われます。
一方で「payroll」は、従業員側はほとんど使いません。
「会社がどうやって給料を管理しているか」という背景的な要素に関係するからです。
つまり、もらう側にとっては“結果(paycheck)”が重要なのです。
会社側の立場から見た違い
会社の立場では、「payroll」は経営や経理の重要な要素です。
人件費の把握、税金計算、給与の正確な支払いなど、ビジネスの根幹に関わります。
一方で「paycheck」はその成果物、つまり「支払い結果」に過ぎません。
経営者や人事担当者は「We need to process the payroll by Friday.」のように、支払いプロセス全体を意識して使います。
ビジネス会話での使い分け方
ビジネスシーンでは、状況に応じてどちらを使うかが大切です。
たとえば、「給料の支払いが遅れた」は“My paycheck was delayed.”、「給与計算が終わった」は“The payroll has been processed.”です。
英語のメールや会議で間違えて使うと意味が変わるため、相手が従業員なのか、経理担当なのかを意識して言葉を選ぶと正確な英語になります。
TOEIC・英会話試験で出るポイント
TOEICなどの試験では「payroll department」「paycheck deposit」「salary increase」などが頻出表現です。
文脈から“どちらの立場の言葉か”を見抜くのがコツです。
たとえば「He’s on the company’s payroll.」なら「彼はその会社の従業員だ」という意味になります。
単語の意味を丸暗記するよりも、文脈での使い方を理解しておくと得点アップにつながります。
間違えやすい他の関連単語(wage・salaryなど)
英語では「給料」を表す言葉が他にもあります。
「wage」は時給や日給、「salary」は月給や年収、「income」は収入全般を指します。
これに対して「paycheck」は支払いの瞬間、「payroll」はその支払い管理全体を意味します。
次のように整理すると覚えやすいです👇
| 単語 | 意味 | 視点 |
| ——– | ———- | —– |
| paycheck | もらう給料 | 個人 |
| payroll | 支払う仕組み | 会社 |
| salary | 固定給(月給・年収) | 契約 |
| wage | 時給・日給 | 労働単位 |
| income | 収入全体 | 経済的観点 |
まとめ
「paycheck」と「payroll」は、どちらも「給料」に関係する英単語ですが、その使われ方や意味は大きく異なります。
**paycheck** は「個人が受け取る給料」であり、実際の支払い・振込・明細など“もらう側”の視点の言葉です。
一方の **payroll** は「企業全体の給与システム」や「人件費の管理」を表し、“支払う側”の言葉になります。
英語では立場によって使い分けることが自然です。
たとえば「給料が入った!」と言うなら *I got my paycheck.*、
「給与計算が完了した」と言うなら *The payroll has been processed.*。
また、「salary」「wage」「income」といった関連語も整理して理解すると、英語のビジネス表現がぐっと明確になります。
英語で「給料」を話すときは、**誰の立場で、どの場面か**を意識して使い分けることがポイントです。
この違いを知ることで、海外の同僚や上司との会話でも自信を持って表現できるようになりますよ。


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